実習生の故郷・知ってほしいミャンマーのこと

ミャンマーの技能実習生や文化について知りたい方に、送り出し機関ホープウィルが最新情報をご紹介します。

日本で働きたい理由は給料だけにあらず

履歴書を確認していたら、とても高収入(実習生の給料よりもずっと高い)の身内のいる応募者がいました。

その応募者は、ゴールデントライアングル(ミャンマー、中国、ラオスの3国が国境を接する、麻薬取引が盛んなエリア)の出身で、家族のひとちが国境を越えたラオスのカジノ勤務でした。
「苦労して日本語を勉強して日本に来るより、故郷近くで働いた方がよいのに、なぜ実習生に応募したのかな」と不思議に思い弊社スタッフに聞くと、「断然日本の方が治安が良いから」とのこと。

確かに、日本で働きたい理由に「治安の良さ」をあげる人は多いです。親御さんからしても、可能であれば子どもには遠くても安全な場所で働いてほしいですよね。

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写真はタイ国境近くのミャンマーのカジノ。ゴールデントライアングルには、中国資本のもっと立派なカジノがたくさんあるそうです。

得度式専用の馬のレンタル業

履歴書には、帰国後に就きたい仕事を書く欄があります。
先日そこに、ミャンマーらしさ満点の回答を見つけました。
日本で貯金したお金で得度式用の馬を買って、馬のレンタル業を始めるというものです。
本人の趣味も乗馬とあったので、馬でなにか仕事をしたいという夢があるのでしょう。

ミャンマーでは地方に行くとよく馬車をみますが、馬車用の馬はほとんどが茶色です。
でも、得度式では白馬中心。
得度式

そこで、白馬に特化した馬のレンタル業を始めたい、ということのようです。
採算性はさておき、いろいろ考えるなぁと感心しました。

戦時中ビルマの日本語学校

弊社社長が、興味深い物を見つけてもってきてくれました。
社長の祖父が若い頃、シャン州の日本語学校で受けた表彰状だとか。
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昭和17年と言えば、太平洋戦争が始まってすぐくらいですね。
日本語学校の校長は陸軍大佐。
賞状の装飾も旭日旗。
時代を感じます。

この後、成績優秀だったお祖父さんは早稲田大学に留学したそうです。
ちなみに社長も九州大学に留学、その息子も今、日本の大学で勉強しています。
3代にわたって日本好きの社長一家です。

写真も見せてもらいました。
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向かって左がお祖父さん、右はひいお祖父さんだそうです。 

ヒマワリの種にはまってます

農業実習生も多く送り出しているので、履歴書の職歴で「農業」と書く場合は、作っている作物も書いてもらっています。
 
そこでよく出てくるのが「ヒマワリの種」。
中国から東南アジアにかけけては、ヒマワリの種をよく食べます。

 
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殻をチマチマ取らないといけないのに可食部が少なく面倒ですが、友人とおしゃべりしながらダラダラするには最適なスナックです。
田舎では一面にヒマワリが咲くフォトジェニックな光景をよく見かけますが、これは花を育ててるのではなくて、種を取っている場合がほとんどです。

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日本で働いた後で就きたい仕事・2

面接でよく聞かれる「帰国後に就きたい仕事」についての続き。

時々あるのが「携帯アクセサリー店」や「カーアクセサリー店」。
面接官の方に「ずいぶん、ニッチな夢だね」と言われます。

実はこうした店は、ミャンマーでは少しの資金で若者が始めることができる典型的な商売です。
この夢を語る若者は、「堅実で実現性のある将来設計のできる人」と考えていただいて、だいたいあっていると思います。
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写真は携帯のSIMカード店。古い写真なので、今はもっと値段が上がっています。覚えやすい番号ほど価格が高いです。

日本で働いた後で就きたい仕事

履歴書には、帰国後に就きたい仕事を書く欄があります。

介護以外の実習生はもちろんのこと、介護実習希望者であっても、「飲食店(または衣料品店や雑貨店も)を開きたい」と書く学生が一定数います。
日本の面接官からは「なんでみんなレストランなの?」とか、「介護福祉士をとりたいと言ってるのに、帰国したら介護士ではなく衣料品店を開くの?」とよく聞かれます。

日本へ行く前の時点では、学生たちは田舎の実家周辺の世界しか知りません。
そこには介護職を活かせる施設はほとんどなく、農業以外の仕事というと飲食店や雑貨店ぐらいです。
そのため、帰国後の仕事としてこうしたお店しかイメージできないからではないでしょうか。

帰国する10年後には、彼らの考えもミャンマーの社会自体も変わっていると予測しています。

 
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女性でも出家すれば剃髪

先日の面接の応募者に、とても髪の短い女性応募者がいました。
彼女が短期の出家から還俗したばかりと知った日本人面接官が、「短期の出家でも髪を剃るの?!」と驚かれていました。
 
タイやミャンマーの仏教に短期出家があることは有名ですが、1日だけでも、たとえ女性であっても出家すれば髪を落とします。
  
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日本でも浄土真宗以外は女性も剃髪するそうですが、そもそも「短期出家」という概念がないですよね。
写真は托鉢する尼僧たち。年端もいかない女の子もいますが、学校へ行きだして忙しくなる前に短期出家させる家庭もあるので、小さい子もわりと見かけます。
また、身寄りが亡くなって僧院に預けられる子もいるようです。

ミャンマー語の文法が日本語に影響する例

ミャンマー人が日本語を話す時、「~してあげる」という言い回しをよくします。
 
 
「家族に仕送りしてあげる」
 「先生を手伝ってあげる」
 
恩着せがましく聞こえるため、日本人なら使わない場面です。

これはミャンマー語に原因があります。
ミャンマー語では、相手に何かアクションを起こす際、動詞の後ろに「与える」を意味する単語がつくのです。

たとえば、「アメイゴークーペーデー(母を手伝う)」を分解すると、下記のようになります。

 アメイ(母)+ ゴー(~を)+ クー(手伝う)+ ペー(与える)+ デー(~です)

ミャンマー人が日本語を話す時には、これを頭の中で直訳するので、上記の言い回しになるようです。
決して恩着せがましい国民性なわけではありません💦

これだけだと何なので、写真も付けます。
IMG_0608ヤンゴンのマハーチャインティッサーシン・パゴダです。屋根の上にでんと座る大仏がシュールです。

翻訳できない職業3・〇〇バイヤー

【翻訳できない職業③】
昨日の続きです。
実習生の家族の職歴によく登場する、ミャンマーの農村ならではの職種が「●●バイヤー」です。
●●には、野菜や花、果物の名前が入ります。

  
ミャンマーにも農協はありますが、日本ほど組織立っておらず、各村を回って特定の作物を買い集め、市場へ売りに行くバイヤーが存在するのです。
宝石の国ミャンマーだけに、翡翠バイヤーとか宝石バイヤーなんて人もいます。


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写真はシャン州の農村風景。
撮影時はキャベツの収穫期で、キャベツバイヤーのトラックが幹線道路を行き交っていました。

翻訳できない職業2・農業ドライバー

【翻訳できない職業②】
先日の面接で、職歴が「農業」の応募者の仕事内容が「ドライバー」となっていて、日本人の面接担当者に不思議がられました。

  
ミャンマーの農村にはトラクターなどの農業機械はまだ行き渡っておらず、それらを運転できる人は限られています。農業機械を持っていない人は持っている人から借りて、運転できる人も雇います。そのため農村には、「農業機械のドライバー」という職種が存在するのです。
 
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技能実習生送り出し機関【ホープウィル Hopewill】

ミャンマー政府認定の送り出し機関。介護、ホテル、飲食、製造、農業など多岐にわたる技能実習生および特定技能実習生を、お客様のニーズに合わせオーダーメイドで育成し、送り出しています。
当ブログでは、Facebook(リンク集参照)の記事をまとめています。

ギャラリー
  • 日本で働きたい理由は給料だけにあらず
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  • 日本で働いた後で就きたい仕事・2
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